投稿

7月, 2020の投稿を表示しています

7月の植物図鑑(トトロの森12号地、他)

イメージ
2020.7.24 7月の植物図鑑(トトロの森12号地、他)  新型コロナの影響で、3月から手入れを休んでいるトトロの森12号地の様子を見に行ってみた。12号地は草刈りのボランティアとしてかかわっているので、蔓植物の繁茂が気になるところである。そろそろボランティアのみんなとも会いたいし、作業が再開されることを楽しみにしている。   トトロの森12号地 トコロやキヅタが繁茂  藪が繁っていて12号地の中まで踏み込まず撮影。 ヤブカンウ/つるぼらん科  オニユリ/ゆり科  ハギ/まめ科 花は秋のイメージがあるが、花期は7月~10月。根元から新しい芽が毎年出る。荒れ地に生えるパイオニア植物。  キチョウ/しろちょう科 羽根を開いたところを狙ったが、みな停まると羽を閉じてしまう。他にダイミョウセセリ/せせりちょう科 らしい黒い羽に白い斑点の蝶を見たが、写真にとれなかった。  タケニグサ/けし科  近くの畑で ヤマユリ/ゆり科  エノコログサ/いね科 粟の原種で食用に使える。近代以前飢饉の際には実を食用とした。  ヘクソカズラ/あかね科 別名ヤイトバナ、サオトメバナ  ブラックベリー/ばら科 塀から覗いている、旨そうだがジャムになどするのだろうか?  センリョウ/せんりょう科  マンリョウ/やぶこうじ科  センリョウ、マンリョウとお金にちなんだ庭木はほかに オクリョウ(億両・ミヤマシキミ)、ヒャクリョウ(百両・カラタチバナ)、ジュウリョウ(十両・ヤブコウジ)、イチリョウ(一両・アリドオシ)があるそうである。  一両にあたるアリドオシは以前この植物図鑑で名前のわからないまま写真を報じている可能性がある。  7月になってトトロの森53.54号地の取得が新聞で報じられていたが、これからますます森の手入れにはボランティアが大きな役割を担うことになるのだろう。植物観察と下草刈りを頑張ろと!

蒔田さくら子作品を読む(3)

2020.7.20 蒔田さくら子作品を読む(3)  月について すずめの項③の歌「交々に訪ひくるすずめは十羽まり昏れて月待つベランダとなる」( 2019.1 )から、作者の気持ちを考えると昼にはこの「すずめ」たちが、夜には「月」が慰めてくれるのだろうと考え、「月」の歌を次に拾ってみることにした。抽出した歌は⑧~⑫の五首、連作のように読んだ。 ⑧月にさへ満ち欠けありとあふぎつつ生の起伏をつなぎ来しかな( 2019.4 ) ⑨カーテンをふとあけし時のぞくごと月あり言葉にあらぬなぐさめ( 2019.10 ) ⑩「月がきれい」とつぶやきをりぬ気負はざる素直なこころを我とよろこぶ ⑪真二つの半月むしろ過不足なきすがた 鮮 ( あざ ) らけし長月六日( 2019.12 ) ⑫フルムーンとや完璧のうつくしさおそるる心は半月に寄る  ⑧の歌から 月でさへも満ち欠けがあると、月を仰ぎ見ながら人生の時々の起伏に心を慰め歳月をつむいできた。「月にさへ」の「さへ」は程度の軽いものを上げより重いものはなおさらだと類推させる副助詞。「月の満ち欠け」よりも重い「生の起伏」を導く用法。【月の満ち欠け《生の起伏】 我が身に照らして多難な人生を乗り超えてきたというしみじみとした感慨を詠む。理知的な歌  ⑨カーテンをふと開けると「月」がこうこうと照っていて、月が一人ぼっちの私を心配してのぞいていたように見えた。そこに言葉ではない慰めを感じた。絶対的なものに見守られているという安心感、崇高な感じが漂う歌。  ⑩「月がきれい」と一人つぶやく私に気づいて、月をめでる素直な心の持ち主の私がいたということを発見して喜んだ。自己認識、理知的な歌。  ⑪満月を真っ二つに割ったような十一月六日の月、半月はむしろ過不足のない美しい月に見える。欠けたところのない満月よりも、半月が一人身となってしまった私にふさわしく美しい月に思えた。理知的な歌。  ⑫今夜は満月。欠けたところのない完璧な美しい満月。満月があまりにも美しく、欠けていくことを恐れる心は(⑪で見た)半月がむしろ良かったと思う。(フルムーン=満月・熟年夫婦 JR の造語も想起)  ③ベランダで月の出を待つ作者。⑧月は様々な形で昇り「生(死)の起伏」を暗示してくれる。⑨⑩に見える月は満月

蒔田さくら子作品を読む(2)

2020.7.20 蒔田さくら子作品を読む(2)  すずめの歌  蒔田さんはお住まいのベランダにくる「すずめ」との日々の交流を巧みに詠まれ、通して読むと連作のように読める。七首(カッコ内は発表年月号) ① どこかに見張るすずめゐるらし餌まけばおづおづ一二羽たちまち数羽 ( 2019.1 ) ② わづかなる米撒けばかならず来るすずめさびしき今日はいくたびも撒く ③ 交々に訪ひくるすずめは十羽まり昏れて月待つベランダとなる ④ 他愛なきことなれひとり住まひにはすずめ訪ひくる慣ひもうれし( 2019.4 ) ⑤ 待つ人はをらねど帰るベランダにすずめ何羽が待つかと帰る ⑥ ベランダに馴れてすずめがきてをりぬ夫あらばこゑをかけて居らむに ( 2019.11 ) ⑦ ベランダの縁にしばらくゐるすずめ何見るかちさきちさきその目で 地味でどこにも見られるすずめだが、小さく愛らしく生き生きとして、野生の鳥も慣れることがあるのだと発見した気持ちになった。  ①の作品 すずめがベランダに来ているので、餌をまくとおづおづと警戒しつつ食べ始めた。するとその様子をどこかで見ていたのだろうか、安全とわかるとたちまち数羽のすずめが加わって食べ始めた。「見張る」という語に作者の経験知が込められていて、一度ならず餌をまいた経験からか「見張る」「おづおづ」「たちまち」というすずめの行動が的確に把握表現されている。  ②「わづかなる米」人間にとっては「わずかな米」であってもすずめにとっては御馳走。そのわずかな米を撒くと必ず飛んできて食べてくれるから、さびしい今日は幾度も米を撒き、呼び寄せる。すずめの無心の姿に昔物語が想起され、ファンタジー的である。「いくたびも撒く」に無言の寂しさが感じられる。  ③餌を撒くと一〇羽あまりのすずめがこもごもにベランダ に来てくれるのだが、日暮れとなった今はすずめもねぐらに 戻っていていない。人恋しい夕暮れで、月の出を手持無沙汰 にベランダに待っている。  ④すずめに餌を撒くことなど「他愛なきこと」と他人には 思われるだろうが、一人住まいの私にはすずめが訪ねてくれ るようになったことがうれしい。「他愛なきこと」と自分を矮 小化しているが、それでも私にはうれしいことだと素

蒔田さくら子作品を読む(1)

2020.7.20 蒔田さくら子作品を読む(1) コロナ禍の退屈な自粛の折、作品の感想を書き綴った。 蒔田さくら子さんは「一九二九年生まれ(昭和四年一月十一日)「をだまき」を経て昭和二十七年小宮良太郎の「短歌人」に入会。昭和六十年から発行責任者。長い歌歴をお持ちの方である。  私は蒔田さんの数ある作品を読み通すこともままならず、二〇一九年に「短歌人」に発表された作品の中からこれと思う作品を選んで考察させていただくことにした。  題詠「虎」  二〇一九年四月号から   争はず殺さず淫せず不条理を 叫 ( をら ) ばず檻の虎視淡淡たり この歌は一気に読み下して力強く歯切れがよい。声調に張りがあり異色な感じで目を引いた。下の句で「檻の虎視」で読みに迷いが生じたが、丁寧に読むと「叫ばず檻の」が七音、「虎視淡淡たり」で八音、下の七七にあたる。字余りである。「檻の(虎)」でなければ「檻」の中に虎が見えなくなってしまう。「檻の」の「の」は主格を表すので、次に言うべき主語の「虎」が省略されているのだと思い当たり、「檻」の中に微かな虎が見えてきた。次の「虎視淡淡」から虎の姿が二重写しになって見える構成だとわかる。虎がやや弱い。 次に「虎視淡淡」の表記であるが、熟語では「虎視眈々」、ここに作者の意図が明らかに感じられるところである。「虎視眈々」は広辞苑によると、「虎が獲物を狙って目を見張りじっと見下ろすさま」まさに大草原に 虎 が狩りをするときのイメージを彷彿とさせる。「淡淡」は「あっさりしたさま。執着のないさま」虎にはふさわしくない形容であるが、「檻」の中の虎、おそらく動物園の檻の虎は餌をもらい狩りを必要としなくなった淡淡と生きる動物、「耽々」よりも「淡淡」としたほうがふさわしい姿と捉えたのだろう。「耽々」と「淡々」のギャップ、そこに作者の狙いがあり、野生動物に対する人間の強引さが示され、不条理な心の痛みが感じられる。  上の句に戻るが「争はず殺さず淫せず」はまさに檻の中の動物、自然に生きるものならば、縄張り争い、生きるための狩り、雄ならば雌を引き連れハーレムを作る。これらから隔絶された虎は生来の本能から遠ざけられていて「不条理と叫ば」ねばならない不自然な状態であるが、「叫ば」ない。「叫ぶ」ことを許されていないのだ。淡淡と

7月の植物図鑑

イメージ
2020.7.16 7月の植物図鑑 6月に植えたフォッグフェイスの苗に早くも花が咲き、なす科の植物であるということを彷彿とさせてくれる。秋の実がつくことが楽しみである。 また、去年いただいた根茎のダリアは大きな花をつけ、花の重みで茎が折れてしまうことがしばしばで、痛々しい。ウィキペディアに赤黒い花の写真に「黒蝶」(コクチョウ)と出ていたが、そのような名を持つ花だろうか。 フォッグフェイス/なす科 別名ツノナス  早くもフォッグフェイスを彷彿とさせる黄色い蕊がのぞく。  ダリア/きく科 テンジクボタン 黒蝶?  ワルナスビ/なす科 刺あり  イヌホオズキ/なす科 液果は球形 熟すと黒くなる  シロツメクサ/まめ科 4つ葉のクローバーを探したい気分です。  オオバコ/おおばこ科   ジャノヒゲ/きじかくし科 「ジョウノヒゲ」(尉の鬚)転じてジャノヒゲ。能面の「尉の面」のあごひげに葉の形を見立てた。  キョウチクトウ/きょうちくとう科  和名は葉が竹に花がモモに似ていることから、夾竹桃。  ボタンクサギ/くまつづら科 中国南部原産

身延山散策・金山博物館

イメージ
2020.7.6 身延山散策・金山博物館 この日はあいにくの雨模様。しかし身延山をどうしても歩いて山容を確かめたいと思い、びしょ濡れになりながら、気づくとヒルの攻撃に遭いながら歩きとおした。 霧雨に煙る山容は美しく、途中で鹿にも出会い、鳴き声も聞こえたのは望外の喜びだった。 奥の院 日蓮上人お手植えの杉  奥の院 祖師堂 煙雨に煙る祖師堂  参拝の道  カラマツソウ/  丈六堂 中に 丈六釈迦像があり、尊像は大きくてお釈迦様の膝のあたりの衣のひだしか見えない。  丈六堂  久遠寺の境内が煙雨に包まれて見える。  身延山五重塔と七面山 自動走行の 斜行エレベーターに乗ってみた。  日蓮上人御廟所  御草庵跡 日蓮上人が9年間隠棲されたところ  金山博物館  毛無山と金山のジオラマ  金山開発の歴史  甲斐の藩に通用した甲斐金  金山の生活 佐渡金山のように過酷な生活ではなかった? 茶の湯の道具や囲碁の道具も発掘されている。  武田氏の埋蔵金ありや?  金の性質 赤い紙の上に1gの金があるのだが、それを薄く延ばすと金箔(2畳半)となり、黒い紙の上のように、細く線を伸ばすと3000mにも伸ばすことができる。