河野裕子歌集の「植物」の歌 

2018.8.13
続河野裕子歌集 現代短歌文庫 砂子屋書房刊

河野裕子は植物について詳しい、という評判を耳にしていたので、どのような植物を詠んでいるのか興味深く思い、上記の歌集を調査した。
集中には歌集「体力」(抄)149首、「家」(全篇)600首、「歩く」(抄)195首が計944首が収載、うち植物の詠まれている歌190首、植物の数は102首であった。全体の約20%に植物が詠まれている勘定になる。それらの歌を数回に分けて報告する。(Pは収載頁)
(他の歌集については未調査です。)

河野裕子の植物の歌
ア行 11種類

①    あかままP19,P57,P128
あかままは千代といふ名がよく似合ふちよちよちよと顔の小ささ







②    あぎなしP71
もう母は死んだやうにも思はれてアギナシの池に道下りゆく

③    あさがほP44,52,114,129,138
あさがほは耳なしの花藍いろのおほきな覆(ふく)輪(りん)の端(は)にふれてみる

④    あぢさゐP56
ちりちりと線香花火を燃やす傍(へ)にまだなましろきあぢさゐの花






⑤    あやめP32
あやめの切手いくども呉れしかど君の素足をわれは知らなく

⑥    いちやうP112
木洩日のはだら斑の中をゆき明るい色なりいちやうの葉つぱ

⑦    萍(うきくさ)P125
萍の平たく薄きが殖え続く一枚の水田の泥の限りを

⑧    うこぎP50
ウコギの芽摘みて袋に入れ歩くタラの芽あればタラの芽も摘み

⑨    梅P31
梅の香にこゑあるやうな月夜なり眼鏡をかけて辞書をくりをれば

⑩    大島桜P104
花咲きし大島桜の下に来て口あけて笑ふ私の家族

⑪    鬼百合P57
古阜(こづかさ)のうへに陽が照り輪郭の黒く咲きゐる鬼百合の花

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