与謝野寛短歌選集 「植物」 9(ツ~ネ)

与謝野寛短歌選集 平野万里編 
与謝野寛が植物を詠んだ歌 9(ツ~ネ)
 
⑪石蕗(つは)242 ⑫椿 51.89.111.112.129.130.252.257.296.229.245.246.252.290.⑬つりがね草142 ⑭つるうめもどき245 ⑮橡(とち)100.179.287 ⑯蔦の葉248 ⑰どくだみ80
㋤ ①菜の花59.100.176.260 ②なでしこ60.135 ③楡189.212 ④ネギ(葱・根葱)72.268 ⑤猫柳73.152 ⑥合歓 121

    ①    ツハ・石蕗
たまひつる爪哇(ジャワ)のくだものわが家に大皿は無し()()の葉に置く P242
つわぶき
 



  ②    ツバキ・椿
わかき人手とりて過ぎし石だたみかげろふ立ちてべに椿ちる P51

    ツリガネ草・釣鐘草
高原(たかはら)のつりがね草と月見草ことなる火もて夏祭する 142

    ツルウメモドキ・蔓梅擬
つるうめもどき山萬両と一つらに白き小菊を見る師走かな P245

     ドクダミ・どくだみ
雨止まずどくだみなどの咲く上に濁水(だくすゐ)出でて沼に似るかな P80


ドクダミ



    トチ・橡
黒々と(とち)木の立つなかに巴里を染むる淡き冬の日 P100

    ツタ・蔦
疑ひもたのむ心も無くなりて晴れたる晝に蔦の葉の散る P248

ナ行
 ①    ナノハナ・菜の花
春の日の音戸(おんど)()()にうつりたる赤土山の菜の花の色 P59

    ナデシコ・撫子
十歩に百合五歩になでしこほのぼのと青霧たちぬ赤城のふもと P60
なでしこ




    ニレ・楡
踊場を出でて歸れば石だたみ(にれ)を通して夜の白みゆく 189

    ネギ・葱
岡崎やわが家の跡の()()畑に瓦のかけを濡らす霧雨 P72

    ネコヤナギ・猫柳
靑き湯の菜の香を立てて煙りつつ流るる溝に猫柳さく P73

    ネム・合歓
部屋ごとに晝寝の人の足見ゆるその中庭に合歡(ねむ)の花咲く P121
合歓の花


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