与謝野寛短歌選集 植物 10(ハ~ヒ)

与謝野寛短歌選集 平野万里編
与謝野寛は詠んだ植物の歌 10 (ハ~ヒ)

㋩ ①白菜112 ②白楊150 ③ハス(蓮)199.282 ④芭蕉52 ⑤濱木斛(ハマモッコク)210 ⑥濱ゆふ198 ⑦薔薇109.145.176 ⑧ハンノキ(榛の木)125.242 ⑨ひまわり56.72 ⑩ひるがほ204



    ハクサイ・白菜
海たかし白菜の畑みかん畑つばきの花のうへを船行く P112

    ハクヨウ・白楊(どろの樹・はこやなぎ)
夜となれど湖水の明りしばらくは白楊の木に消えやらぬかな P150

    ハス・蓮
饅頭を蓮のひろ葉に盛る上へ靑田の風の吹き通るかな P199



    バショウ・芭蕉
芭蕉葉のそりくつがへる下風(したかぜ)に肩ぬぎて打つ赤き焼鐵(やきがね) 52

    ハマモッコク・濱木斛
園のおく(はま)(もつ)(こく)蔭となり海の入り來る白き裏門 210

    ハマユフ・濱木綿
晝見たる島の濱ゆふその花の追ひ來る如き船の月かな P198

    バラ・薔薇
常に無く心さわぎぬ春となりこれ薔薇の氣の包むなるべし P109

    ハンノキ・榛の木
溪間より(はん)の木立の上を行くひとむら(さめ)のしろき足音 125

    ヒマハリ・向日葵
ひとむれの御達(ごたち)の車ゆくあとに()きへされたるひまはりの花 P56




    ヒルガホ・昼顔
男みな宿のゆかたの短きを著て行く磯のひるがほの花 P204

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