与謝野寛短歌選集 「植物」7(シ~ソ)



与謝野寛短歌選集 平野万里編 
与謝野寛が植物を詠んだ歌 7 (シ~ソ)

⑪棕櫚66.88 ⑫沙羅135.136.281. ⑬白樺60.157.212.199.231. ⑭水仙177.272.278 ⑮杉295.154.160.197.234.239.256.280 ⑯ススキ(薄・薄)53.171.181 ⑰鈴蘭186 ⑱セキショウ(石菖)49⑲セキチク70 ⑳せり85 ㉑栴檀 256


    シュロ・棕櫚
棕櫚の葉の軒に鳴るとき眠りたる駱駝の近く立つかとぞ思ふ P88

    シャラ・沙羅
山かげにはかなき沙羅の花手に拾ふとき涙ながれぬ P135
沙羅の花

    シラカバ・白樺
ふる山の秋のしづくに髪そぼち倚りて我泣くしら樺の木に P60

    スイセン・水仙
水仙の束君が手に成るを見て城が嶋よりまた船に乗る P177

    スギ・杉
杉のうへ關田峠にのぼる日のますぐに照す山の軒かな P154

    ススキ・芒・薄・尾花
乗鞍は芒に隠れから松の枯れたるなかに諏訪のあらはる P171

    スズラン・鈴蘭
千山の荒き岩間のすずらんとリラを合せてつくる花束 P186

    セキショウ・石菖
井のもとの水引き草も石菖(せきしゃう)もよろこぶ如く白き露おく P49
ニワゼキショウの花




    セキチク・石竹
ここちよき蘆のみどりと石竹の紅をまじえて笛の風吹く P70
セキチクの花

    セリ・芹
芹の芽をうすき氷の閉ぢたるに帯のうつれる小き舞姫 P85




㉑センダン・栴檀
    前の木のせんだんの實を食む鳥が我が硝子戸に蹴りこぼす雪 P252

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