与謝野寛短歌選集 「植物」6(サ~シ)

与謝野寛 短歌選集 平野万里編 6
与謝野寛が詠んだ「植物」の歌 サ~シ

㋚ ①サクラ(櫻)200.210.212.257.290. ②さくら草251 ③柘榴272 ④ササ(笹・熊笹)163.176.199 ⑤澤胡桃261 ⑥山帰来205 ⑦シイ(椎・縱)207.293.280 ⑧シシウド(獅子獨活)279.280 ⑨芝229.250.274 ⑩芍薬104


サ行の歌

    サクラ・櫻
木下路朝じめりして入りまじる櫻のおち葉馬の足あと 200

    サクラサウ・さくら草
庭の隅型ばかりなる繩張りて子らの培ふさくら草かな P251

    ザクロ・柘榴
茅原も風絶えつれば暖かし地平の入日柘榴(ざくろ)を捧ぐ 272

    ササ・笹
笹生ひて肩を隠しぬ山風は我れの髪をも笹として吹く P163

    サワグルミ・澤胡桃
すくすくと園に芽を吹く(さわ)胡桃(ぐるみ)五丈の上に南風の鳴る P261

    サンキライ・山帰来
來て逢へる伯耆の端午まろき葉の山歸來(さんきらい)もて巻く(ちまき)かな 205

    シイ・椎
吉野屋の番傘を手に雨を聞く薬師の山の(しい)がもとかな P207

    シシウド・獅子独活
山の草なかにも白き獅子獨(ししう)()は立ちてまぎれず霧の掩へど P279

    シバ・芝
冬の芝琥珀の色に澄みわたる硝子のそとの夕明りかな P250

    シャクヤク・芍薬
美くしき宵がたりをばあまたして暁に見る芍薬の畑 P104




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