与謝野寛と植物1 (ア)

「与謝野寛 短歌選歌集 平野万里編」砂子屋書房刊1

を読む機会があり、その歌集には寛の短歌が約2000首収載されていますが、植物を詠った歌の多いことに気づきました。そこで寛が歌にした植物や植物の数を調べてみました。

歌われた植物の種類 137種  約350首
そのほかに単に草・雑草は 55首

を数えました。それらを合わせると、約2割の歌に何らかの植物が詠われていました。それらの歌を少しずつひもといて行きたいと思います。

137種の植物を1度に取り上げるわけには行きませんので、まずア行の植物から1首ずつ取り上げることにします。(P )または数字は収載されているページです。
「寛はつれづれ植物の中に心を投影し日々の暮らしに慰めをえていたのだろう。」
 
㋐ ①アオソ(青麻)P164 ②アカシヤ63.183.184. ③アケビ(朱實)163 ④アザミ(薊)43.74.92.245.279 ⑤アシ(葦・蘆)34.69.70.86 ⑥アジサイ(あぢさゐ)174 ⑦あやめ37.184.202.232 ⑧あれち野菊172


与謝野寛の植物の歌   ①~⑧
ア行

    アオソ・青麻

ほのかにも川音川の末ひかる(あお)()の山を出し月ゆゑ P164
    アカシヤ
(ひわ)(ちゃ)いろと銀の連弾(つれびき)アカシヤの木と河岸の水の連弾(つれびき) P63
    アケビ・木實

雲間なる蔵王(ざうわう)(だけ)をさせる指()(けび)濡れて摘む指 P163
    アザミ・薊
わが馬の薊の葉をばこころよく食む傍らにこの文を書く P43
    アシ・蘆・葦
夕月に船つなぎをれば雁啼きてたけ一丈の葦の花ちる P34
    アヂサヰ・あぢさゐ
むすめたち端近く居て墨をするそのかたはらのあぢさゐの花 P174
    アヤメ・あやめ
花賣のをぐるま涼し朝靄にあやめひとくるま載せて(かど)行く P37
    アレチノギク・あれち野菊
草の上の夏の日あたりわが影とあれち野菊の影と斜す P172

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