所沢市出身の三ヶ島葭子4
(その4)
晩年の葭子の歌う世界はまことに狭い。病弱な葭子には歌材を求めて外を歩くということができなかった。病床の周囲、身辺の雑事が葭子の歌の範囲だ。日常で見逃してしまうようなところに情感を感じて、きよらかな歌を詠み完成度の高い歌を詠んでいることに驚きを感じます。
昭和2年(葭子42歳)
・裏の垣に小鳥来てをり細めにし障子を開けて覗きて見るも
・よその燈のさししほのけき障子には格子の影のうつりにけり
・夜の更けの凍土(いてつち)をゆく下駄の音銭湯へゆく人々ならん
『三ヶ島葭子歌集』より
静謐で品のある佳い作品
・どの歌もわかりやすく解説は必要ないと思うが、しみじみとした情感を味わっていただきたい。
・ありのままのものをありのままに表現することは、大きな力量がなくてはできないことなのだ。葭子の単純平明な表現力は、すばらしいものがあると、かの斎藤茂吉に言わしめた実力の持ち主である。
晩年の葭子の歌う世界はまことに狭い。病弱な葭子には歌材を求めて外を歩くということができなかった。病床の周囲、身辺の雑事が葭子の歌の範囲だ。日常で見逃してしまうようなところに情感を感じて、きよらかな歌を詠み完成度の高い歌を詠んでいることに驚きを感じます。
昭和2年(葭子42歳)
・裏の垣に小鳥来てをり細めにし障子を開けて覗きて見るも
・よその燈のさししほのけき障子には格子の影のうつりにけり
・夜の更けの凍土(いてつち)をゆく下駄の音銭湯へゆく人々ならん
『三ヶ島葭子歌集』より
静謐で品のある佳い作品
・どの歌もわかりやすく解説は必要ないと思うが、しみじみとした情感を味わっていただきたい。
・ありのままのものをありのままに表現することは、大きな力量がなくてはできないことなのだ。葭子の単純平明な表現力は、すばらしいものがあると、かの斎藤茂吉に言わしめた実力の持ち主である。
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